スクワットの深さはどこまで?腰を守るフォームと深くしゃがむコツ【フル60〜80kg×5回】
「スクワットってどこまでしゃがめばいいの?」「深くしゃがむと膝や腰に悪いって聞いたけど本当?」——スクワットは下半身の王道種目ですが、深さほど人によって言うことが違うポイントもありません。
私はいま、バーベルスクワットを60〜80kg×5回×3〜5セット、深さはフル(太ももが水平より下まで深くしゃがむ)で行っています。フォームで一番意識しているのは足裏全体で床を押すこと、そして高重量の日はベルトで腹圧を固めることです。
この記事では、深さの目安、腰を痛めないフォーム、しゃがめない人の対策まで、実体験ベースで解説します。
結論|「腰が丸まらない範囲で、いちばん深く」が正解

| あなたの状況 | 目指す深さ | ポイント |
|---|---|---|
| スクワットを始めたばかり | パラレル(太もも水平) | まずはバーのみで、毎回同じ深さを再現する |
| お尻・内ももも鍛えたい | フル(水平より下) | 深いほどお尻と内ももに効く |
| 深くしゃがむと腰が丸まる | 丸まる手前まで | 無理に深くせず、足首・股関節の硬さから直す |
| かかとが浮く | パラレルを目標に | 足幅とつま先の向きを調整、かかとに台を置くのも手 |
| 重量を伸ばしたい | 深さは固定したまま | 浅くして重量を稼ぐのは逆効果 |
最低ラインはパラレル。そこから先は、腰が丸まらない限り深いほど得をします。
スクワットの深さは3種類|それぞれ何が違う?

| 深さ | しゃがむ位置 | 扱える重量 | 主に効く部位 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| クォーター | 膝を軽く曲げる程度 | いちばん重い | 太ももの前 | 高重量で腰と膝に負担が集まる |
| パラレル(ハーフ〜パラレル) | 太ももが床と水平 | 中くらい | 太ももの前・お尻 | 多くの人の「最低ライン」 |
| フル | 太ももが水平より下 | 軽め | 太ももの前・お尻・内もも | 足首と股関節の柔軟性が必要 |
研究では、深さだけを変えてスクワットを続けたところ、太ももの前の伸びは同程度でも、お尻と内ももは深くしゃがんだほうが大きく伸びたと報告されています。浅いスクワットは、お尻と内ももの分を取りこぼしているわけです。
私がフルで行っているのもこのためです。パラレルならもっと重量を積めるかもしれませんが、同じ体力を使うなら、鍛えられる範囲が広いほうを選んでいます。
「深くしゃがむと膝に悪い」は本当?

正しいフォームで行う限り、深いスクワットが膝を傷めやすいという根拠は乏しいとされています。むしろ浅いスクワットは重量が重くなるぶん、背骨と膝への負荷が大きくなりやすいと指摘されています。
| よくある思い込み | 実際のところ |
|---|---|
| 深くしゃがむほど膝に悪い | フォームが正しければ、深さそのものは問題になりにくい |
| 浅くすれば安全 | 重量が上がりすぎて、腰や膝の負担がかえって増えやすい |
深さを怖がって浅くするより、重量を下げて正しい深さで行うほうが関節にやさしくなります。
腰を守る5つのフォーム|深くしゃがむほど大事になる
腰を痛める原因の多くは、深さではなくしゃがんだ底で腰が丸まることです。私が意識している5つのポイントです。

① 足裏全体で床を押す
私が一番意識しているのがこれです。つま先に乗ると上体が倒れて腰で持ち上げる形になり、かかとだけに乗ると後ろに倒れまいとして腰が丸まります。親指の付け根・小指の付け根・かかとの3点で床をつかむ感覚で押すと、軌道がまっすぐになります。
② 腹圧を入れて、胴体を1本の柱にする
しゃがむ前に大きく息を吸い、お腹を360度ふくらませるように固めます(腹圧)。胴体が柱のように固まり、深くしゃがんでも腰が丸まりにくくなります。
私は高重量の日はトレーニングベルトを巻き、ベルトを押し返すように力を入れています。腹圧が入っているかが体感でわかる、腹圧の練習道具です。
ベルトを含めたギアの選び方は筋トレギアはこの順番で揃える!にまとめています。
③ 深さの限界は「骨盤が丸まる手前」
ある深さでお尻が内側に巻き込まれ、腰が丸まる瞬間があります(バットウインク)。ここが深さの限界です。スマホで真横から撮影し、その手前で切り返しましょう。
④ 膝とつま先の向きを揃える
つま先はやや外向き(15〜30度)にして、膝も同じ方向に曲げます。立つときに膝が内側に入ると、膝にねじれが生まれます。
⑤ セーフティバーを必ずセットする
セーフティバーはしゃがんだ底より少し下に。潰れてもバーを預けて抜け出せます。
深くしゃがめない人の原因と対策
深さが出ない原因は、たいてい次の3つのどれかです。

| 症状 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| かかとが浮く | 足首が硬い | 足幅を広げつま先を外へ/かかとに薄いプレート/ふくらはぎのストレッチ |
| 腰がすぐ丸まる | 股関節(お尻・もも裏)が硬い | 浅い位置で止める/お尻のストレッチ/ゴブレットスクワットで練習 |
| 後ろに倒れそう | 重心・腹圧のズレ | 足裏全体で押す/腹圧を入れ直す |
柔軟性はすぐには変わらないので、練習は軽い重量、本番は「いまきれいに出せる深さ」と分けましょう。
練習におすすめの2種目
- ゴブレットスクワット:ダンベルを胸の前で抱える。上体が起きやすく、深くしゃがむ感覚をつかみやすい(可変式ダンベルがあれば自宅でも可)
- ボックススクワット:後ろの台にお尻が触れたら立つ。毎回同じ深さを体に覚えさせられる
バーベルスクワットのやり方|構えから立ち上がるまで6ステップ
- バーの高さを合わせる:ラックのバーを、鎖骨〜肩の高さにセット。セーフティはしゃがんだ底より少し下に
- バーを担ぐ:バーの下に入り、肩甲骨を寄せて僧帽筋の上にバーを乗せる。首の骨に直接当てない
- ラックから外して2〜3歩下がる:足幅は肩幅程度、つま先はやや外向き
- 腹圧を入れる:大きく息を吸い、お腹を固める。ベルトを巻いている場合はベルトを押し返す
- お尻を後ろに引きながらしゃがむ:膝とつま先の向きを揃え、腰が丸まる手前の深さまで2〜3秒かけて下ろす
- 足裏全体で床を押して立ち上がる:胸を起こしたまま、お尻と太ももで押し上げる。立ち上がったら息を吐き、次のレップの前に腹圧を入れ直す
卒業条件の目安
- バーのみ(20kg)で、10回×3セットを同じ深さで再現できる——ここまでは重量を足さない
- 真横から撮った動画で、底で腰が丸まっていない
- 立ち上がるときに膝が内側に入らない
この3つを満たしたら、2.5〜5kgずつ重量を足していきます。
重量の目安と私のメニュー

目安は、バーのみ(20kg)10回×3セット→30〜50kg 8〜10回×3セット→高重量 5回×3〜5セットの順。どの段階でも深さは変えません。
※重量は私個人の目安です。体格や経験によって適正重量は変わります。
私のスクワットの組み方
正直に書くと、脚はあまり好きではない部位です。なのでスクワットは2週間に1回程度。胸・肩の日、背中・腕の日と続けたあと、翌日に体力が残っている日やジムに行きたい気分の日だけ脚の日にしています。嫌いな種目を義務にして筋トレ自体が嫌になるより、長続きすると考えています。
メニューはスクワット→レッグエクステンション→レッグカールの3種目。スクワットは60〜80kg×5回×3〜5セットです。5回と少なめなのは、後半で腹圧が抜けて深さが浅くなるのを防ぐため。深さを固定したまま、前回より重量か回数がわずかでも伸びていればOKです(記録はBurnFit)。分割の考え方は筋トレの分割法をどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. 膝がつま先より前に出てもいい?
出て大丈夫です。無理に膝を残すと上体が倒れて腰の負担が増えます。気をつけるのは膝が内側に入らないことです。
Q. スクワットのあとに腰が痛くなったら?
まず休んで、深さと重量を見直してください。薬剤師として付け加えると、痛み止めで痛みを消してトレーニングするのはおすすめしません。痛みが数日続く、脚にしびれが出る場合は整形外科を受診してください。
Q. 初心者は深くしゃがまないほうがいい?
最初からパラレルを目指してOKです。重量はバーのみから。フリーウェイト自体が初めてならフリーウェイトデビュー完全ガイドからどうぞ。
まとめ|深さは「腰が丸まらない範囲で一番深く」
- スクワットの深さはクォーター・パラレル・フルの3種類。最低ラインはパラレル
- 深いほどお尻と内ももまで鍛えられる。浅くして重量を稼ぐのは取りこぼしが多い
- 正しいフォームなら、深さそのものが膝を痛める根拠は乏しい
- 腰を守るカギは、足裏全体で床を押す・腹圧・骨盤が丸まる手前で切り返す
- 深くしゃがめないなら、足首と股関節の硬さから直す。練習はゴブレット・ボックススクワットで
次のスクワットの日は、真横から1セットだけ撮影して「自分の深さの限界」を確かめてみてください。
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参考文献
- Kubo K, Ikebukuro T, Yata H. Effects of squat training with different depths on lower limb muscle volumes. Eur J Appl Physiol. 2019;119(9):1933-1942. PubMed(深さ別のスクワットで、お尻・内ももの筋肥大に差が出たという根拠として)
- Hartmann H, Wirth K, Klusemann M. Analysis of the load on the knee joint and vertebral column with changes in squatting depth and weight load. Sports Med. 2013;43(10):993-1008. PubMed(深いスクワットと膝・背骨への負担に関するレビューとして)
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